中村倫也を認識した瞬間

中村倫也って「中村倫也」として認識した瞬間が一番面白くてたまらない俳優だと思わないか?



中村倫也」という人物を知らない時、まさかホリデイラブとD-Roomが同じ人物で演じられているとは考えもしない。「なんか知らないけどめっちゃ上手い俳優いるぞ…?」止まりだと思われる。



それが一変するのがそう、中村倫也が演じていると分かった時。
きっかけは何にせよ、中村倫也という存在を知った時にはもう衝撃の嵐が待っている。


「エ?!この役も中村倫也だったの?!」

「この役もあの役も同一人物が演じてたの?!」


とにかく衝撃。衝撃の連続。
だって今まで日常生活の中に潜んでいた中村倫也が全部中村倫也だ…!と分かるんだもの。ちょっとハマってたその役も、何気ないCMの中のあの役も、全部中村倫也だ。日常の中に、こんなにもすぐ側に中村倫也がいたなんて…とショックを受ける。



ただ、そこからが問題で、


「全て中村倫也だと知った後、もう中村倫也への衝撃は出会いを越えられない」


のだ。だって中村倫也を知っちゃってるから。
演じているのが中村倫也だと分かってしまったが最後。もうそれからの中村倫也に対する感想は「あぁ、中村倫也って凄い役者だなぁ」になってしまう。中村倫也を知らない時には考えるはずもなかった「中村倫也」への意識があるために、「この役者誰だ…?!エッ中村倫也?!」とはなれない。これでは知らず知らずのうちに中村倫也を骨の髄まで味わえなくなっているように感じる。



その点、中村倫也を知らない人はまだ「あれもこれも全部中村倫也の衝撃を味わっていない。まだ味わうチャンスがある。だってまだ中村倫也を知らないから。時間という壁に守られているから。守られちゃってるのよ。



中村倫也なんて認識しない方がいい。80も超えたヨボヨボババアになって死ぬ間際にようやく中村倫也の存在を知りたい。

「エ?!見てきた作品の半分以上に中村倫也が出てたのかい?!」

そしてそのままコロッと死にたい。