脇役

自分が主人公だったのは保育園児だった頃が最後だと思う。
幼稚園に上がってからの私は誰かが輝いてる裏でこっそりサポートしている裏方。
幼稚園や小学校低学年までは先生という存在がそんな私に気づいて、褒めて、私を主人公にしようと試行錯誤してくれた。
小学校高学年になると先生も基本的に自由放任に近づいていき、中学高校では結構な働きをしても誰からも気づいてもらえない、ただ何もしてない奴として私はつくられていった。環境につくられた私。ただの偶像。

こんなことを書いていると、私は主人公になりたかった人間だと思われてしまうが、決して主人公になりたいとは思わない。
誰かを裏から支えるこのポジションは好きだし、私に合っている。間違いなく。
誰からも気づいてもらえず、たった一人で戦い続けたことの産物でもいい。それでいい。
誰かを支えて、支え切れなかったときだけ私を見て、馬鹿にする。そんなことが続くくらいなら、誰からも見られない世界の隅っこで一人でこっそり生きるほうが100万倍マシだ。

何もしてない、要領の悪い、可愛げのない、口の悪い、そんな姿を晒し続けて、死ぬ時誰の記憶に残っていなくてもいい。自分は誰かの脇役として生まれてきたのだと思うから。そう思うようになったのは周りの環境の産物だけど。